難消化性デキストリンとは?効果が話題の成分に副作用はある?ダイエットでは?

特定保健用食品(トクホ)の成分として多く使われている難消化性デキストリン。
最近だと、コンビニなどで販売されているトクホのお茶やトクホのコーヒーの関与成分として使用されているので、目にしたことがあるかもしれません。

そんなトクホの成分の一つである難消化性デキストリンの体への特徴や有用な働き、安全性、副作用の有無についてまとめました。

難消化性デキストリンとは?

難消化性デキストリンは食物繊維の一種で水溶性食物繊維に分類されています。名前の通り、消化しにくいデキストリンという性質を持ちます。

とうもろこし等の天然のデンプンから作られる食物繊維で、粘性や甘味は少なく、ほぼ透明という特徴に加えて、耐熱性・耐酸性にも優れています。

また、ミネラルの吸収を阻害しないという特徴があることから、さまざまな食品に使われています。

難消化性デキストリンが使われるようになった経緯は日本人の食生活が欧米化したことで食物繊維が不足しやすくなり、その不足しがちな食物繊維を補う目的で作られました。

また、食物繊維としての特徴以外に、体内で有用な働きをすることが認められていることから、消費者庁に特定保健用食品(トクホ)の関与成分として許可されています。

難消化性デキストリンは無臭で味はほんの少しだけ甘みがあり、熱に強くて変質せず、水溶性なので飲食物に混ぜて食前や食事中に摂ることができます。

トクホとは?
体調を整える働きのある成分を加えた食品で、その効果と安全性を医学・栄養学的に証明し、保健の用途・効果の表示を消費者庁長官が許可した食品です。

デキストリンと難消化性デキストリンの違いは?

デキストリンはとうもろこしやじゃがいものデンプンが原料となっていて、糖質と食物繊維でできている炭水化物の多糖類に分類されています。

元々、でんぷんはブドウ糖と結びついていますが、これらを人工的にバラバラにして低分子化されているのがデキストリンです。

そして難消化性デキストリンはデキストリンを作る工程のデンプンからデンプンを消化する酵素のアミラーゼで加水分解、その中から難消化性成分を取り出した水溶性食物繊維が難消化性デキストリンです。

デキストリンの主な用途

デキストリンは医薬品や健康食品などのサプリや錠剤を飲みやすくする賦形剤(ふけいざい)として広く利用されれています。

また、デンプン質の特徴を利用しとろみを付けたり、粉末を溶けやすしたり、ツヤ、照りを付けるための役割で食品やお菓子、ジュースなどにも使われています。

デキストリンは、こうして見ると食品添加物と捉えがちですが食品という位置づけです。

デキストリンの安全性についてはとうもろこしやじゃがいもなどのデンプンを加工したものなので、適正量において人体に無害とされています。

  1. とろみをつける目的:ソースやタレなどにとろみをつける、離乳食にも使用されている
  2. 液状のものを固める目的:とろみの粘度を調整するなど、化粧品にも使用されている
  3. 液体を粉末にする目的:スナック菓子などの味付けに液体の調味料を粉末にして使われる
  4. 調味料を整える目的:数種類の調味料を均一にして食品につけやすくする
  5. 溶けやすくする目的:粉末のスープの素などに使用
  6. ツヤや照りを出す目的:食品の表面にツヤを出すのに使用
  7. 保湿効果目的で化粧品にも使用

デキストリンは難消化性デキストリンと違い、糖質を含むためダイエット目的などには適していない点があります。

難消化性デキストリンの環状オリゴ糖とは?

難消化性デキストリンの中でも、注目されているのが環状オリゴ糖とも呼ばれるαシクロデキストリン(サイクロデキストリン)があります。

αシクロデキストリンの特徴は水や油との馴染みが良く、食物繊維に加えてオリゴ糖の性質も持っているのが特徴です。

吸着する性質ある構造を持つため、難消化性デキストリンと違い、脂質の吸収まで抑えてくれます。

αシクロデキストリンは脂肪と結合することで、脂肪の吸収を抑えて排泄します。自重1gあたりで9倍の脂肪を取り込むと言われています。

そのため脂肪が気になる人にとっては食事に含まれる脂肪の吸収を抑えるサポートになってくれるとして注目されています。

イヌリンと難消化性デキストリンはどう違う?

難消化性デキストリンと特徴が似ていることで話題になるイヌリン。

イヌリンは菊芋やごぼうなどに含まれる多糖類の一種で、水溶性食物繊維でもあります。

そのため、摂取することで難消化性デキストリンに似た働きが期待できるとして、健康食品などに含められることがあります。

難消化性デキストリンとは原料が違うものの、働きが似ている成分とも言えます。

難消化性デキストリンの体内での働き・効果

難消化性デキストリンには主に5つの作用があります。

  1. 食後血糖値上昇抑制:食後の血糖値の上昇を緩やかにする
  2. 整腸作用:食物繊維としてお通じの調子を整える
  3. 脂肪の吸収スピードの遅延:中性脂肪の上昇を緩やかにする
  4. コレステロール上昇抑止:食物コレステロールの吸収を穏やかにする
  5. ミネラルの吸収促進作用:ミネラルの吸収を助ける

という効果が確認されています。

食後血糖値上昇抑制:食後の血糖値の上昇を緩やかにする

難消化性デキストリンは食事に含まれる糖の吸収を緩やかにする働きが確認されています。トクホ飲料などでもよく見かける効果の一つです。

実験では単糖類であるブドウ糖、果糖の吸収には影響を与えないが、二糖類の麦芽糖の消化・吸収に影響を与え、食後の血糖値の上昇を抑えるという働きが確認されています。

整腸作用:食物繊維としてお通じの調子を整える

難消化性デキストリンは、整腸作用と関わりのある働きがあることもわかっています。

食物繊維は、一般的に便秘を改善することが知られています。水溶性食物繊維である「難消化性デキストリン」も同様に食物繊維としての働きで腸内環境を整える効果が期待できるとされています。

脂肪の吸収スピードの遅延:中性脂肪の上昇を緩やかにする

難消化性デキストリンを食事とともに摂取すると、食事に含まれる脂肪の吸収を遅らせて食後血中中性脂肪の上昇を緩やかにする働きが期待できます。

コレステロール上昇抑止:食物コレステロールの吸収を穏やかにする

難消化性デキストリンは食事に含まれるコレステロールの吸収を穏やかにする働きがあり、内臓の脂肪量および食後の血中中性脂肪に対して有用だとされています。

ミネラルの吸収促進作用:ミネラルの吸収を助ける

難消化性デキストリンはCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)の吸収を促進することが動物実験で確認されています。

食物繊維はミネラル吸収を阻害すると考えられていましたが、低粘度な食物繊維は、大腸でミネラル吸収を促進することが明らかになっていることから難消化性デキストリンもミネラルの吸収に有用な働きが期待できるとされています。

消費者庁から認可されている効果は?

難消化性デキストリンは体への有用な働きが認められていますが、トクホ(特定保健用食品)の関与成分として認められているのは、現在3つあります。

  • 食後血糖値上昇抑制:食後の血糖値の上昇を緩やかにする
  • 食後中性脂肪上昇抑制作用:食後の中性脂肪の上昇を緩やかにする
  • 整腸作用:食物繊維としてお通じの調子を整える

という3つが消費者庁による特定保健用食品として許可実績を持っています。

難消化性デキストリンの安全性は高い?

難消化性デキストリンの安全性については、米国FDA(食品医薬品局)が、1日の摂取量の上限値を明確に定める必要がないほど、安全な食品素材であると認めていることから、難消化性デキストリンは安全性が高いことで知られています。

また、特定保健用食品(トクホ)でも認められている成分であるため、消費者庁も認めている成分です。

多くのトクホ食品に使用されている

体への有用な働きに加えて、その安全性から難消化性デキストリンを含むトクホ商品は数多く販売されています。

難消化性デキストリンが危険という声もある?

難消化性デキストリンは人によって安全性が不安と感じるようです。

その理由は

  • 食品添加物のイメージがある
  • 胃腸の弱い人が多量に摂取するとお腹がゆるくなることがあるという注意書きを読んで
  • 原材料(トウモロコシ)が「遺伝子組み換えではないか」と気になる

という印象を持つ人がいるようです。

食品添加物のイメージがある

難消化性デキストリンは食品添加物ではなく食品です。また、上述しているように難消化性デキストリンの安全性については認められています。

お腹がゆるくなることがある

難消化性デキストリンは食物繊維ですので、人によって摂りすぎるとお腹がゆるくなることがあります。

これは難消化性デキストリンを含む食品に注意書きがありますので、あくまで適量を摂るのが安心です。

原材料(トウモロコシ)が「遺伝子組み換えではないか」気になる

難消化性デキストリンの原料となるとうもろこしの多くが海外からの輸入に頼っています。その中でとうもろこしの輸入量が多いアメリカでは生産されている約90%が遺伝子組み換えということで、この点を気にされている人がいるようです。

副作用はあるの?

難消化性デキストリンは、安全性が高い成分であると評価されています。そのため、米国FDAでは一日に上限量を定める必要がないという評価を受けています。

そのため、難消化性デキストリンを摂ることによる副作用の可能性は低いとされています。

ただし、過剰摂取をした場合、難消化性デキストリンの特徴による体への影響がいくつかあるのでチェックしておきましょう。

難消化性デキストリンの多量摂取による影響

難消化性デキストリンは安全性が高い成分として認められていますが、一度に沢山の量を摂取することで、体調の変化が起きる可能性があるという注意書きが、難消化性デキストリンを使用しているトクホ商品にも記載されています。

難消化デキストリンの一般的な摂取量の目安は5〜10gと言われています。この量を大きく超えて摂るのは注意が必要です。

多量摂取で現れやすい症状としては

  • お腹がゆるくなる
  • おならがいつもより増える

という点が挙げられています。

お腹がゆるくなる

難消化性デキストリンは食物繊維ですので、腸内環境を整えお通じをスムーズにするのに働くというのが効果の一つですが、摂りすぎることによって、腸内の活動が活発になり排出を促すことで、通常よりもお腹がゆるくなることがあると言われています。

おならがいつもより増える?

難消化性デキストリンは、整腸作用が認められています。この時に元々、お通じのリズムが良くない場合、腸内環境に変化がおきておならが増えることがあると報告されています。

難消化性デキストリンはどんなものに使われているの?

難消化性デキストリンは様々な食品に使用されています。通常は食物繊維素材として使われていますが、上述してきた体への働きによって特定保健用食品の関与成分として使われることが多いです。

難消化性デキストリンは脂肪と似た質感を持つため、脂肪の代替えとして低カロリー食品などに利用されることが多いです。他にもカロリーオフ、ノンカロリー飲料など、糖類を甘味料に代替えして、カロリーを減らすタイプの商品の甘味料の後味をまろやかにするといった調整役としても使われることがあります。

糖質ゼロ系のアルコール飲料のカロリー減や飲み口にコク味を追加するといった時にも使用されています。

また、デキストリンサプリなどの健康食品の成分の一つとして使われることもあります。近年だと機能性表示食品などのサプリに使われることが増えています。

難消化性デキストリンを含むトクホ

難消化性デキストリンを使った特定保健用食品(トクホ)も種類は様々です。

お茶

難消化性デキストリンを加えたお茶は近年のコンビニやスーパーで買えるトクホ飲料の定番です。

コーヒー

トクホコーヒーに使用されています。難消化性デキストリンをプラスすることでまろやかな口当たりになり、食後の糖の吸収や中性脂肪の吸収を抑えるといったトクホ成分として使われています。

ジュース

お茶やコーヒーと同じく、トクホのジュースもあります。ペプシやメッツコーラのトクホバージョンに使われています。

ゼリー・お菓子

食後の糖の吸収を抑える働きを用いてゼリーやお菓子の糖質が気になる人向けのチョコレートやデザートなどに使われています。

食品

トクホの味噌汁など食品にも使用されています。食事制限が必要な人向けの食品に利用されることが多いです。

難消化性デキストリンを含むトクホを摂るタイミングは?

難消化性デキストリンを含むトクホを摂る時のタイミングは商品の説明書きにもありますが、「食事と共に」もしくは「食前・食後」というようにあります。

これは難消化性デキストリンを含むトクホの場合、糖の吸収を抑える、中性脂肪の上昇を穏やかにするといった働きがあるため、食事と一緒に摂る、もしくは食事の前後に摂るのが一般的です。

ただし、難消化性というだけあって消化されない食物繊維ですので、運動後、体が回復などを目的に栄養を摂る時はおすすめできません。

食生活の改善を目的として摂るのが一般的と言えます。

使い方・摂取方法

難消化性デキストリンの摂取量は、1日あたり5gから10g程度というのが一般的です。また1度にまとめてではなく、数回に分けて飲むのが良いです。

食事の20~30分前に飲む、飲み物や食事に混ぜて摂ります。摂取量は1日当たり最大で体重×1g(50kgの人であれば50g)までと言われています。摂りすぎによるお腹がゆるくなる注意点を踏まえて、推奨量の摂取を守りましょう。

水や食事に混ぜても変質しないのが難消化性デキストリンの良い所です。ですので飲み物に混ぜる時にも水筒やボトルに入れて持ち運べます。OK。パウダーを小瓶などに入れておき、食事の時にサッとプラスするのがおすすめです。

難消化性デキストリンは市販や通販で買える?

難消化性デキストリン自体は粉末で販売されているので、ネットなどで購入可能です。

粉末タイプの難消化性デキストリン

難消化性デキストリンは粉末タイプが一般的です。内容量が多くコスパ的にも良いので通販で購入している人も多いです。

通販で購入できる粉末タイプの難消化性デキストリンは

  • オリヒロ ダイエタリーファイバー
  • NICHIGA α-シクロデキストリン
  • ヘルシーカンパニー 難消化性デキストリン
  • ヘルシーカンパニー αシクロデキストリン
  • NICHIGA 難消化性デキストリン

などがあります。

また、個包装タイプは持ち運びにも便利です。「大塚製薬の賢者の食卓ダブルサポート」は糖の吸収を抑えるトクホとして人気です。

錠剤・サプリタイプの難消化性デキストリン

水と一緒に手軽に飲めるのが錠剤やサプリタイプの難消化性デキストリンです。食生活が偏りがちな人の補助として役立ちます。

錠剤タイプの難消化性デキストリンには「大塚製薬のネイチャーメイド・食物繊維」などがあります。

難消化性デキストリンはダイエットに役立つ?

ダイエットに取り組む人にとって食生活の見直しは重要なポイントです。そして食事に含まれる糖や脂肪の摂取コントロールは難しい点があります。

難消化性デキストリンは、糖の吸収を緩やかにしたり、中性脂肪の吸収を緩やかにするといった働きがあるため、ダイエット中の方の糖質や脂質の摂りすぎを減らすのに役立ってくれます。

ダイエットドリンクやサプリにも難消化性デキストリンが使われている商品も多いですし、難消化性デキストリンを使ったダイエットも話題になりました。

ただし、難消化性デキストリンでダイエットに成功した人も、ただ飲むだけで痩せたということではなく、食事の内容に気を使いながら適度な運動を取り入れていることを踏まえて、食事の見直しをする時のサポート役として取り入れるのが基本です。

難消化性デキストリンを摂って太るという噂もありますが、難消化性デキストリンを摂っても体に吸収されずに排出されるため、太る心配はありません。ただし、上述しているように、難消化性デキストリンを摂っているからといって、過食になってしまうことは太ってしまう可能性が高いので、あくまでサポート役であるという点を理解して、食事の改善を進めることがダイエットの基本です。

また、難消化性デキストリンは低GI食品(血糖値が急激に上がりにくいたべもの)を食べるのと同様に食後の血糖値が上がりにくい食品素材です。

インスリンが急激に分泌されると脂肪の合成が進み、結果肥満に繋がる可能性があるため、食後の血糖値の上昇を穏やかにする働きがある難消化性デキストリンは、太りにくい体質を作る上でも役立つ点があります。

参考:農畜産業振興機構HP「多糖類としての難消化デキストリンの特徴」

難消化性デキストリンはどんな人が飲んでるの?

難消化性デキストリンをサプリや粉末で日々飲んでいる人は

  • 普段食物繊維が不足しがちな人
  • 食後の血糖値が気になる人(トクホ食品として)
  • メタボなど肥満対策をしたい人(トクホ食品として)
  • お腹の調子を整えたい人(トクホとして)
  • ダイエットを頑張りたい人

といった人が利用しています。

まとめ

難消化性デキストリンの特徴や安全性についてご紹介しました。

難消化性デキストリンは安全性が高い成分として評価されているため、食生活にも取り入れやすいです。

ただ安全性が高いと言っても過剰摂取はよくありません。メーカーが定める目安量を守って食生活のサポートとして活用しましょう。一度に沢山飲んだからといって健康が増進されるわけではないので、あくまで適量を摂るということが大切ですね。

難消化性デキストリンの口コミもチェック

管理人が実際に難消化性デキストリンを含み、食後の血糖値の上昇をおだやかにするトクホのコーヒーを飲んだ体験談をご紹介しています。

難消化性デキストリンのトクホの口コミが気になる人は参考にしてみてくださいね。

>> 難消化性デキストリンを配合したトクホのコーヒーを飲んだ体験談・口コミはこちら